現在、当研究室が実施中の犬のがんに対する臨床試験

1. 様々な犬のがんに対する免疫チェックポイント分子(PD-1)阻害抗体療法(2024年現在も継続中)

犬のがんに対する免疫療法についての解説 パート1

犬のがんに対する免疫療法についての解説 パート2

犬のがん(とくにメラノーマ)に今のところ一番効果がある免疫療法はこれだ!(飼い主さん向け)

臨床試験の実際コチ

これまでに実施した臨床試験に関するプレスリリース
1. 犬のがんに対する免疫チェックポイント分子阻害抗体医薬(抗PD-1犬化抗体)の開発とその効果~犬の悪性腫瘍に対する獣医師主導パイロット臨床試験の成果~
2. 犬のがんに対する免疫チェックポイント分子阻害抗体医薬(抗PD-1犬化抗体)の適応拡大が期待~犬の扁平上皮癌と未分化肉腫に治療が奏効した初報告~

これまで効果がみられた子たちの例

2. 犬のリンパ腫に対するCD20抗体療法(2024年現在も継続中)

犬のリンパ腫の新しい治療法、 抗CD20抗体を用いた治療法とは?

抗イヌCD20抗体の論文がScientific Reportsに掲載され、プレスリリースしました

3. 様々な犬のがんに対する腫瘍溶解性ウイルス療法(終了)

がんにだけ感染してがん細胞を壊すウイルスを「腫瘍溶解性ウイルス」といいます。様々なウイルスにそういった作用があることが知られていますが、多くは組換えウイルスとして使用されています。組換えウイルスは、遺伝子組換えしたウイルスを用いるため、投与した後の動物の体内から遺伝子組換えウイルスがでてくる可能性があり、環境への安全性などを考慮する必要があります。具体的には、投与された動物の唾液や糞便、尿などをきちんと処理する必要があります。

我々のところで用いているウイルスは、レオウイルスとよばれるウイルスで、遺伝子組換えしていない自然に存在するウイルスを薬として投与できるように精製したものです。このウイルスは、自然界にもともと存在するものと全く同じであるため、その排泄などについて環境への悪い影響はありません。一方、遺伝子組換えしていないため、遺伝子組換えしてその作用を強力にしたものと比較すると、がん細胞を壊す能力がすこし劣るのは間違いありません。

このレオウイルスを使用した臨床試験を2013年から山口大学動物医療センターで実施しています。すでに多くの犬のがんに対してその効果の検討を行ってきました。その結果については、Veterinary Comparative and Oncologyとよばれる英文科学雑誌に論文として掲載済みです。

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