本の紹介「45歳の教科書 戦略的「モードチェンジ」のすすめ」

この本でも書かれていますが、「ある調査によれば、ビジネスパーソンの出世意欲が変化し、出世したいと思わない人の割合が、出世をめざす人の割合を上回る年齢は42・5歳だそう」です。

まさにそうした気持ちになっている中年が読むべき本です。

人生100年時代といわれるなか、45歳といえば社会人生活のちょうど折り返し地点です。つまり大学をでて就職してから約20年。そのあと定年まで約20年。


これまでの自分自身の人生を振り返り、そのあとどのように生きていくのか。このくらいの年に多くの人が同様に思うと思います。かくいう僕も、ここ数年、ちょうど45歳くらいから同じようなことを考えており、今回読んだこの本で少し頭がすっきりしました。

45歳を超えた今、そこそこの毎日でよければ、言い方悪くすればこのまま逃げきりの人生を送ることもできると思っている人も一定数いると思います。

僕の場合も、幸いにも大学教授にもしてもらっているので、定年の65歳まで大きな変化を求めずにこのまま毎日を繰り返すというのもないわけではないし、正直大学教員のなかにもそういうふうに考えている人もたくさんいるように思います。

一方、何か常に新しいことを求め、この世に生を受けたからには、自分にできることを追求し、もう一つでも二つでもなにかを残してやろうと思って、チャレンジし続けることもできます

そのどちらの生活を選ぶかは自分次第であり、そのなかでチャレンジしていこうという人には必読の書になります。

著者の藤原和博さんといえば、みなさんもご存知のとおり、リクルート出身で、民間の学校の校長までつとめあげ有名になった人である。本もたくさん書いておられるし、youtube動画もたくさんあるので、本を読むのが面倒な人は、動画をみてもいいかもしれない。プレゼンもめちゃくちゃ上手である。

<<<<<このあと、引用が結構あるので、ネタバレ含みます>>>>>>>>>>

この本では、人生の後半に向けて、どうやって自分自身の人生を生きていくのか、ということを考えるのに大事なことが書かれていると思います。

もちろん若い人が読んでも大事な共通することはあって、その一つは「自分の希少性を高める」ということ、それが自分の価値をあげることにつながるということです。

1つの仕事をマスターするのに1万時間かかるとして、1日3時間 であれば1年で1000時間。それを10年。1日6時間であれば、1年で2000時間。それを5年。そうすると1/100の人間にはなれる。その次に少し別のことを極めるのにさらに1万時間で、1/100 x 1/100 =1万分の1にはなれる。

つまり社会人になって20年でだいたい45歳ということを考えると、45歳ではそれくらいになっているのが理想であるということである。僕自身が1万分の1にはなれているのかわからないが、ただ今からでも10年新しいことを1万時間つづければ、10年後には、1/100の希少性が加わり、自分の希少性がさらに増すわけです。

希少性が増すということは、ある意味唯一無二の存在になるということですので、今後のAI時代にも仕事がなくなることはない、ということにもなるわけですね。

そして書かれているなかでもう一つ誰にとっても大事なのが、情報処理能力と情報編集力の違いです。「情報処理能力」は、いわゆる受験などで我々が培ってきた能力で答えがあるものです。「情報編集力」は、正解がないか、正解があっても1つではない問題に対して、思考力・判断力・表現力を駆使して、自分自身で仮説を創り出し、自分を含めて関わる人がみな納得できる「納得解」を導き出せる力と定義されています。

これからの時代はこの情報編集力が非常に大事になるため、それをいかにマスターするかで、自分のキャリアや希少性をあげることにもつながる、と考えることもできます。

ぜひみなさんも一読していただくといいと思います。

こっちは僕は読んでいないですが、若い人向けにもありますので、こちらもどうぞ。

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Takuya Mizuno